KADOKAWA 合田哲也・著 大学入試 物理重要公式が面白いほど使える本

| 直前期に新しい参考書を買うという自殺行為!?

大学入試直前期に新しい参考書を買うという行為は,一般的にはあまりオススメされていないんじゃないかと推測しますが,もちろん物事には例外というものがあります。

1)赤本,模試問題集:東京大学への数学(駿台文庫)など・・・。直前期にこそやるべき本,ということでしょうか? 直前期になって買おうと思って売り切れていて書店をさまよう,ということが発生していた時代も,ある程度遠い昔になってしまったのですかねぇ・・・。

2)入試前の総復習のための参考書:かつては,旺文社の「傾向と対策」などがソレでしたが,今の受験生は総復習のために結局は「復習」したり,過去問解いて一喜一憂したりしてるんでしょうか??

| 直前期にこそこういう本が必要なんでは?

さてこの本ですが,合田哲也さんという方が普段の授業で使っているプリントを書籍化したもの。授業で補完される形式でしょうから,初学者がイチから理解をしようとするとこの本だけではなかなか難しいかもしれませんが,こういう本があると,

①学習途中の現在位置のようなものがわかる
②復習するポイントが明確になる
③出題頻度が低いテーマもチェックしやすい

と,いいことずくめな気がするんですよねぇ。

今,オンライン授業・オンライン家庭教師の可能性や,予備校内では「反転授業」の可能性を探っているワタクシとしては,この手の教材の有用性・可能性を大いに感じている次第であります。反転授業が批判されるとしたら,こういう「ガイドブック」のようなものを自分で作ったり,あるいは既製品を利用したりすることが,その批判に答えることになると思っているのでありました。

そうね。本当はこの本を受験生一人一人が自分で作らにゃならんのよ・・・。(←独り言)

| 要するに,オススメです。ただし,実験台!

今も昔も,「教科書」を読みこなす高校生は少ない気がしているんですが,数学も物理も教科書のわかりやすさは出版社にもよりますし,一つの出版社が複数の教科書を出していることからもわかる通り,読者のレベルにもよるわけです。

ただ,教科書を「ふるさと」のように折に触れて読み返す習慣を持った高校生というのは少ないはずです。数学でいえば,Ⅰ+A+Ⅱ+B+Ⅲの5分冊,物理でいえば,物理基礎+物理の2分冊,というのもそうさせる要因になってる気がする,というのは本線からやや外れた意見ですが・・・。

この本が受験生にどのように読まれるのかを知りたい,というのもあります。もし,この本を読んで直前期の対策をしたいという受験生がおられたら,ぜひとも感想を聞かせてもらいたい,というのが今のところの本音ですが,おそらく大部分の受験生にとって役に立つ参考書であることは間違いないと思っています!

| 数学版はないのか!?

数学版の作成は難しいです。今のところあるのは,授業で利用すること前提の「数学道具箱」がありますが,授業を受けないで単独で利用しようとしても意味不明の内容が満載です。

フサフサ兄さん2分の5!

とか。わけわからん!

でも,この本の登場で,刺激を受けたことは間違いありません。精進したい!

 

コメント

トオル

合田さんの本読んでみました。
合田さんの授業を一緒に受けてきた人にとって、読みながら授業の風景が思い起こされるとてもいい本だとおもいます。

「自分でこの本のようなノートを作り上げていくんだよ」のところがすごく刺さりました。
山中さんの道具箱を読み返すと、「あの授業であんなこといってたな~」と風景とともに数学の知識が呼び起こされます。そういう体験を呼び起こしてくれるのが、一緒に勉強してきた「教科書」や「ノート」の役割なのかも知れないと思いました。

llcmarronier

トオルさん、コメントありがとうございます。

まさに、おっしゃる通り。やってきたことを思い出しつつ、全体における位置づけを確認する、そんな行為が「学習」あるいは「復習」という言葉の中には含まれているのでしょうね。

自分で、合田先生の本とか、数学道具箱を作っていくことは難しいけれども、それを作るための枠組みぐらいなら作ることは可能です。さて、作ったところでそれを活用したくなる人と、その枠組みを壊したくなる人とがいることは間違いないと思いつつ、そういう全体像を作るための枠組みを提示すること自体にはきっと意味があるのではないか、と思いつつ、現在試行錯誤中です!

今のところの答えは、Quizプリントを幹にして、それに枝葉をつけていくことなのかなぁと思ったりしています。