『思考力を鍛える不等式』|栗田哲也先生・著|東京出版

大学受験参考書レビューです。まだまだ始めたばかりなんですが、どういう観点で説明すればいいのか試行錯誤しながらやってますので、ご意見・ご感想をコメント欄などからお寄せいただけるとこの上ない喜びでうれしい悲鳴を上げます! きゃー

とりあえず、参考書レビューを行うときに心に留めておきたいことは
(1)すべての受験生に勧められる参考書は無い。
(2)読むにしても、読む時期を間違えると効果がぐっと変わってくる。
(3)じっくり読み込むべき参考書と、軽く読み飛ばして「卒業」すべき参考書がある。
(4)自学自習に向く参考書と、指導者が傍にいて初めて効果を生む参考書がある。
(5)・・・ちょっとわかんないけれど・・・なんとなく生理的に受け付けない参考書があるかも。
(6)参考書を「評価」するべきではない。受験生のための交通整理役なら出来るかも、というスタンスで!  ということぐらいかな。

ひとまず始めてみます。

【対象】大学受験生
【時期など】高3生が秋ぐらいに斜め読み、浪人生が気分転換に斜め読み、数学を得点源にしたい受験生がじっくり読みこむ
【位置づけ】一通り数学が終わった受験生が、単元ごとの学習を超えて学びたいときの一冊
【難易度】基礎から解説はされているが、唐突にレベルが上がるので、数学が苦手な人にはお勧めしない。あるいは、読んだとしても斜め読みで!

意外と、斜め読みがオススメかもしれん。

目次は・・・

§1  非負の和に直す式変形
§2  数学的帰納法で不等式を解く
§3  関数の利用
§4  Jensenの不等式
§5  相加平均・相乗平均の不等式
§6  コーシー・シュワルツの不等式
§7  並べかえの不等式
§8  不等式証明のテクニック
§9  不等式の拡張(1)
§10 不等式の拡張(2)
§11 不等式のイメージと論理
§12 立体と不等式
§13 解いて楽しい少し難しめの問題

定積分の評価はあるが、数列の和を定積分で評価するとかが一見して無い。近似計算とかが無い。不等式といえば「評価」だが、そういうのが無い。まぁ、この目次の流れから見ると、これらの事柄は別枠で、ってことになるんだろうけど、一応、学習者の便宜のために書いておく。学習者は、そういうのを求めて「不等式」なるタイトルを掲げた本を手に取るかもしれないので。

それはさておき、大学受験における不等式のカタログ役は十分果たしてくれそう。不等式に限らず、対称性とか、次数(同次性なども含めて)とか、定数と変数とか、あといろいろ・・・そういう観点から式を見るクセは養うことが出来そう。

でも、難しいと思ったら斜め読みに切り替えるとか、指導者に指示を仰ぐとか、読むのを中断するとか、を早めに判断したほうがいいのかもしれません。

意外と§1が難しいので、§1は斜め読みで§2~§7ぐらいまでをじっくりやるだけでも効果があるかも・・・。

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とりあえず、一冊レビューするだけでも大変!

いい本なんだけど、取り扱いを間違えると危険な本なのかもしれん。

感想をお待ちしております!!

コメント

トオル

はじめに「不等式の本」と聴くと、「評価」のしかたを鍛える本というイメージだったのですが、ちがうみたいですね。むずかしい。

ところで、参考書の斜め読みってどんな感じなんでしょうか。ついつい、「参考書・問題集は一字一句血肉になるまで読み込み解き込む」みたいに考えてしまって、さらっと労力をかけずに読むのが難しく感じてしまいます。
また、ちゃんと読まないと自分の数学力になってくれないような感じも、「ななめ読み」をしづらくしているような気がします。

llcmarronier

トオルさんへ
やはり,「評価の本」と感じる人もいますよね~。

ちなみに,「評価」よりも本書で扱っている問題の方が基礎的(重要),「評価の問題」は各論だがそこそこ出題される,という印象です。

斜め読みについては,「初心者が行うもの」と「上級者が行うもの」が,まぁとりあえず傾向としてあると思うのですが,初心者の場合は,その目的に応じていろんな形になると思いますし,当然のことながら不完全なものになるものです。そこに方法論など持ち込まずに,いろんな本を斜め読みしては打ち捨てていけばいいのではないかと考えています。答えになってなくてスミマセン!

(注)その後談話室において,トオルさんとは「斜め読み」に関して話し合ったことを読者の皆様にはお知らせしておきたい。正しい斜め読みの方法なんてないし,その時々で斜め読みの程度とか速度とかも変わってくるはずだし,斜め読みが契機になって深い読み込みにつながることもあるだろうし,・・・というような話をさせていただきました。