2016名古屋大学【2】

2016 名古屋大学(理など)前期数学【2】

このエントリーでは,検算と言われたら真っ先に思い出すもののうちの一つ:「代入検算」をご紹介したいと思います。数学といえば文字,文字といえば「代入・置き換え自由(※)」,代入といえば「特別な場合」。

というわけで,特別な場合や極端な場合を考えるという操作が文字においては「代入」という操作だけでできちゃうわけですね。

~~~~

談話室マロニエに普段から出没しているKazuさん(年齢不詳)が,『検算力』に最適な計算間違いをしてくれた(!?)ので,了承をもらえたので晒そうと思います。

[voice icon=”http://llcmarronier.com/wp-content/uploads/oshou.png” name=”ケンシ” type=”r”]

2つの円\(C\mbox{:}(x-1)^2+y^2=1\)と\(D\mbox{:}(x+2)^2+y^2=7^2\)を考える。また原点をO\((0,\,0)\)とする。このとき,次の問に答えよ。

(1) 円\(C\)上に,\(y\)座標が正であるような点\({\rm P}\)をとり,\(x\)軸の正の部分と線分\({\rm OP}\)のなす角を\(\theta\)とする。このとき,点\({\rm P}\)の座標と線分\({\rm OP}\)の長さを\(\theta\)を用いて表せ。

(2) (1)でとった点\({\rm P}\)をを固定したまま,点\({\rm Q}\)が円\(D\)上を動くとき,\(\triangle{\rm OPQ}\)の面積が最大になるときの\({\rm Q}\)の座標を\(\theta\)を用いて表せ。

(3) 点\({\rm P}\)をが円\(C\)上を動き,点\({\rm Q}\)が円\(D\)上を動くとき,\(\triangle{\rm OPQ}\)の面積の最大値を求めよ。
ただし(2),(3)においては,3点\({\rm O,\,P,\,Q}\)が同一直線上にあるときは,\(\triangle{\rm OPQ}\)の面積は0であるとする。

[/voice]

[voice icon=”http://llcmarronier.com/wp-content/uploads/oshou.png” name=”ケンシ” type=”r”]
カズさんの解答を晒します!
見るのがめんどくさい人のために・・・
(1)の解答が
\((x,\,y)=(\frac{2}{1-\tan^2\theta},\,\frac{2\tan\theta}{1-\tan^2\theta})\)
となっています。
[/voice]
[voice icon=”http://llcmarronier.com/wp-content/uploads/kazu_red.png” name=”カズ” type=”l”]

まずは,計算用紙

次に,解答用紙

[/voice]

(1)の答えが汚く(sin,cosに直してみたようですが・・・),(2)を解く最中にどうにもならなくなった,ということのようでしたが,皆さん,いかがでしょうか?

ありがちな計算といえば,ありがちですよね? でも,移項の際のミスで,符号を間違えてしまっています。

これを防ぐためには2つの方法があります。

(1)より良い解法を!

中心を\({\rm C}\) \((1,\,0)\)として,\({\rm C}\)から点\({\rm P}\)に,「半径」を補助線として引くと,円周角の定理により,\(\angle {\rm PC}x=2\theta\)となり,円のパラメータ表示により,答えが出ます。

【解答】\((1+\cos\theta,\,\sin\theta )\)

でも,これは今回の主題ではありません。

(2)代入検算!

この例は,典型的な「見つけやすいミス」です。たとえば\(\theta=\frac{\pi}{4}\)のとき,図形的には\((1,\,1)\)となりますが,答えに代入してみると,分母がゼロになってしまいます。

こういうのを「代入検算」と呼びましょう。

一般的に,代入などによる検算で見つけやすいミスに対しては採点者も厳しくなる傾向があり,見つけにくいミスについては寛容になる傾向があると思っていいと思います。実際にそのように発言されている入試関係者も複数おられるようです(日本数学教育学会にて取材済み)。

さて,見つけにくいミスが多い分野ではどうすればいいかというと,ひたすら「気を付ける」となります。例えば,定積分や,文字を使わない場合の数・確率などでは,「検算できないなぁ・・・気をつけなきゃ・・・」と思うことで慎重な計算・複数回計算への動機となるわけですね。

 

 

コメント